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平成29年・46週~咽頭結膜熱~

2017年11月24日

今週の注目疾患   平成29年・46週(11月13日~11月19日)

【咽頭結膜熱】
咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever, PCF)は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症である。
近年の咽頭結膜熱の発生動向は、7月前後の流行の後に晩秋から再び増加傾向に転じて冬季に小規模な流行を示すことが多い。
第46週の県内定点医療機関(小児科定点医療機関)から報告された咽頭結膜熱は定点当たり0.45人となり、2006年以降の過去同時期と比較し報告数が多い状態が続いており、今後の動向に注意が必要である(図1)。
報告された患者の年齢は1歳が最も多く(約20%)、5歳以下の患者で全体のおよそ75%を占めている。
咽頭結膜熱の感染経路は、通常飛沫感染、あるいは手指を介した接触感染であり、結膜あるいは上気道からの感染である。
プール(冬季であれば温水プール)を介した場合には、汚染した水から結膜への直接侵入と考えられている。
特異的治療法はなく、対症療法が中心となる。
眼症状が強い場合には、眼科的治療が必要になることもある。
潜伏期は5~7日とされ、眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現する。
また、結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされる。
眼に永続的な障害を残すことは通常はない。
また、頚部特に後頚部のリンパ節の腫脹と圧痛を認めることがある。
予防としては、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどである。
点眼薬の使い回しなども避けるべきである。消毒法に関しては、逆性石鹸、イソプロパノールには抵抗性なので注意を要する。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年11月22日更新)

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