習志野市予防接種情報提供サービス

2020年 第3週  ~中国湖北省武漢市における新型コロナウイルス~

今週の注目疾患   2020年 3週(2020/1/13~2020/1/19)

【今週の注目疾患】

【中国湖北省武漢市における新型コロナウイルスが検出された肺炎集積事例】
2019 年 12 月 31 日、武漢市衛生健康委員会(Wuhan Municipal Health Commission)が原因不明の肺炎集積事例の発生を報告し、その後の調査の中で患者から新型コロナウイルス(各国によって異なるが 2019 novel coronavirus、2019-nCoV、nCoV-2019 や WN-CoV などと呼ばれている)が検出・同定され、中国当局は暫定的に本事例の原因をこの新型コロナウイルスによるものと決定した。
武漢市に渡航・滞在歴のある新型コロナウイルスによる患者が、その後武漢市外で相次ぎ報告されるようになり、1 月 22 日午前 9 時時点において各国関係機関等から公表されている報告をまとめると、確定例は武漢市(現地 1 月 20 日 24:00 時点)258 例(うち 6 例の死亡)、北京市(現地 1 月 21 日 18:00 時点)10 例、上海市(現地 1 月 21 日 19:00 時点)6 例、広東省(現地 1 月 21 日 18:00 時点)17 例、昆明市 1 例、浙江省 5 例の報告がある。
武漢からの輸入例はタイ(2 例)、日本(1 例)、韓国(1 例)、台湾(1 例)、米国(1 例)からも認めている。

*中国当局は 1 月 22 日午前、これまで(1 月 21 日 24:00 時点)に 440 例の患者確定例と 9 例の死亡例を認めると発表しましたが、本週報の内容はその発表以前のものとなります。
>>詳細はこちら
・厚生労働省:新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について(2020 年 1 月 16 日)
>>詳細はこちら
・World Health Organization:Novel Coronavirus?Republic of Korea (ex-China)(1 月 21 日)
>>詳細はこちら
・Centers for Disease Control and Prevention:First Travel-related Case of 2019 Novel
Coronavirus Detected in United States(1 月 21 日)
>>詳細はこちら

l症例の特徴
1 月 22 日 9:00 時点で確認できる新型コロナウイルスによる症例(確定例)は、中国、タイ、日本、韓国、台湾および米国から合計 303 例となっている。
武漢市の 258 例を除く 45 例について、中国国外から報告された症例の全てと中国武漢市外の症例の多くが武漢市もしくは湖北省への渡航・滞在歴が報告されているが、うち数例については患者との濃厚接触例と報告されている。
直近の患者発症日は前述の各国関係機関等からの発表内容から確認できる範囲で 1 月 19 日となっている。
なお、世界保健機構西太平洋事務局(WHO WPRO)は 1 月 21日に武漢市の症例には、15 例の医療従事者が含まれていると報告した。
武漢市衛生健康委員会は症例の多くは中年~高齢の男性で、MERS と同様に基礎疾患を持つ高齢者において重症化の頻度が高いとしている。
なお、同様に前述の各国関係機関等からの発表内容から確認できる範囲で、年齢が明らかな症例では広東省からの報告に含まれる 10 歳児の症例が最年少であり、10 代の症例も複数認めている。
これまでに報告されている死亡例は 6 例であり、いずれも武漢市からの報告である。
1 例目:61 歳男性。腹部腫瘍、慢性肝疾患の基礎疾患あり。
2 例目:69 歳男性。
3 例目:具体的な公表情報なし。
4 例目:89 歳男性。高血圧、糖尿病、心疾患の基礎疾患あり。
5 例目:66 歳男性。慢性呼吸器疾患、高血圧、2 型糖尿病、慢性腎不全の基礎疾患あり。
6 例目:48 歳女性。糖尿病、脳梗塞、胆石の基礎疾患あり。
・World Health Organization Western Pacific(twitter):
>>詳細はこちら

l 感染経路・感染源
感染経路・感染源に関する情報については現在も多くが調査・検討中である。
武漢市で事例発生初期の症例の多くは海鮮市場(武漢市華南海鮮城)に関連した事例と報告され、初期調査の当該市場の環境検体において新型コロナウイルスの検査が陽性となっている。
当該市場は、海鮮に加えてニワトリ、コウモリ、ネコ、げっ歯類や野生動物の販売があり、当該市場は清掃と消毒のため 1 月 1 日に閉鎖されている。
初期には動物からヒトへの感染の可能性も示唆されるとしているが、直近の新規報告例においては、家族内感染といった患者接触者の 2 次感染例や医療従事者の感染が報告されており、一部ヒト-ヒト感染例が含まれるとしている。
持続的なヒト-ヒト感染の有無や感染性について十分に把握するには、より詳細な情報と解析が必要としている。
・武漢市衛生健康委員会:新しいコロナウイルス感染症の肺炎の流行(1 月 15 日)(中国語)
>>詳細はこちら
・World Health Organization Western Pacific(twitter):
>>詳細はこちら
・Centers for Disease Control and Prevention:2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV), Wuhan,
China >>詳細はこちら

l 病原体情報
2020 年 1 月 12 日、中国当局は新型コロナウイルスの配列を WHO と共有した。
新型コロナウイルスの全ゲノム情報が遺伝子配列データベースである GenBank?や Global Initiative on Sharing All Influenza Data(GISAID)に登録されている。
国立感染症研究所は 1 月 21 日に臨床検体からの新型コロナウイルスの検出方法・結果についてホームページで公表した。
その他、各国機関から検出系が報告されており、公表されている。

・国立感染症研究所:Detection of 2019-novel coronavirus sequence from clinical specimen
>>詳細はこちら
・World Health Organization:Laboratory testing for 2019 novel coronavirus (2019-nCoV)
in suspected human cases
>>詳細はこちら

l 公衆衛生対応
一部症例がヒト-ヒト感染によるものと判明し、今後は持続的なヒト-ヒトの有無について注視する必要がある。
検疫所では、空港等の検疫ブースにおけるポスターを用いた武漢市からの帰国者および入国者に対する自己申告を呼びかけるとともに、帰国者等に対する検疫(サーモグラフィー等を用いて、発熱等症状の有無の確認)を実施している。
また、厚生労働省から航空会社に対して、機内アナウンスにて武漢市からの帰国者及び入国者に対する自己申告の呼びかけについて協力依頼がなされた。
国立感染症研究所や国立国際医療センターにより、医療機関における対応と院内感染対策に関する情報、新型コロナウイルス関連肺炎患者の退院及び退院後の経過観察に関する方針(案)や新型コロナウイルス関連肺炎に対する積極的疫学的調査実施要領(暫定版)が作成され公表された。
風邪やインフルエンザが多い時期であり、咳エチケットや手洗い等、通常の感染対策を行なうことが重要です。
武漢市から帰国・入国された方でその後に咳や発熱等の症状を生じた場合には、マスクを着用するなどし、速やかに医療機関を受診していただき、その際には、武漢市の滞在歴があることを申告してください。
本事例においては、未だ感染源、感染経路、感染性、無症候・軽症例の有無といった多くの情報が調査中です。
症例の報告が直近において増加しており、また、日本を含む中国国外においても武漢市への渡航歴のある新型コロナウイルスによる肺炎例が確認されたことから、今後、疫学情報や対応等について更新が想定されるため、引き続き注意をお願いいたします。

・厚生労働省:中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について(第5 報) >>詳細はこちら

【千葉県感染症情報センターより参照】
(2020年1月22日更新)

≪戻る